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「ゴールドマン・サックスに洗脳された私」の要約・感想

 元ゴールドマンサックス(GS)で働いていた方が暴露本を出しました。タイトルは「ゴールドマン・サックスに洗脳された私 金と差別のウォール街 」。この本の要約と感想を書いていきたいと思います。

 *本の内容を知りたくない方は、”別の私の記事を是非読んで下さい。

著者紹介

 ジェイミー・フィオーレ・ヒギンズ(Jamie Fiore Higgins)イタリア系アメリカ人。アイビーリーグに並ぶ位の女子大名門ブリンマー大学を卒業した後、GSに入社。1998年に入社し2016年に退社。約20年勤務。上位8%にしか与えられない高い役職の元マネージング・ディレクターであり、4児の母。現在はコーチングのプロとして、10代の子や大学生にリーダーシップ・スキルを教えたり、従業員を率いる方法を役員にコーチしたりしている。

 

本について

 タイトル「ゴールドマン・サックスに洗脳された私 金と差別のウォール街 」。2024/4/26発売。346ページ。出版社:光文社。2,420円。

 

 世界トップクラスの地位と報酬が約束されたゴールドマン・サックス。だがその実態は、金と女性に対するおそるべき強欲、嫉妬にまみれた職場だった――。同社の元マネージング・ディレクターが1998~2016年の在職期間に目撃した、ミソジニー女性嫌悪)と人種差別にあふれる、堕ちた企業風土を明らかにする衝撃の暴露本。著者は巨額の退職金を捨てて、秘密保持契約書(NDA)へのサインを拒否。同社の内幕を告発する道を選んだ。

 

要約

①カルチャーショック

 新入社員時に、GSの社員と同じように振る舞うのは無理だと悟る。カントリークラブ、お洒落なレストラン、ブロードウェイのショー、自由放任な態度、気軽なセックス、コカイン。ニュージャージー州出身で、祖父母がイタリアから移民し貧しかった為、堅実になるよう教育されてきたので周りの社員とギャップがあります。

 

②寝て仕事を得る

 1年上の先輩メリッサが仕事中よく席を外す(長時間)ので、心配していたら取引先の社員と”マリオット”(ホテル)で会っていることがわかる。仕事をたくさん貰えている理由がわかる。部署の上司であるマイクとも寝ていることがわかる。

 

ミソジニー女性嫌悪

 ミシェルという社員が退職。退職理由は、「部署の男性社員達は女性のことをコンパニオンだと思っている。まともに相手をしてくれないし、難しい仕事もさせてもらえない。だから、ほとんど何も学べていない。」別の女性は、男性社員から「きみには大口の顧客を担当する力量はない」と言われている。多様性の欠如したマッチョ主義が根付いている。

 

 著者が昇進しチームのボーナス査定時、他のメンバーのボーナスの額を知ることができた。男性と女性の給料差が激しいと以前から知っていたが、差の大きさから驚く。例えば、クリスという元同僚は70万ドルで、作者は20万ドル程?(流れから推測)

 

④強烈な上司

 著者の上司マイク(役職:パートナー)は絶対であり、彼のカルチャーに染まらなくてはいけない。マイクのように考え、行動し、お気に入りのスポーツチームの動向をチェックし、バーボンを飲み、セーリングを楽しまなくてはいけない。仕事でも、朝早く出社し、夜遅くまで働く。意見する社員や自分の仕事が終わり早く帰る社員に対しては、ボーナス査定で報復行為がある。

 

⑤人種差別

 自信過剰の同僚がビリヤード場での会食の際、飲み過ぎ酔っぱらう。同じ場にいた、知り合いではない20代前半位の若い黒人が「少し休んだらどうですか?」と言ったところ、「このおかま、ホモ、差別語」を言う。

 

⑥我慢

 著者自身まともな人ではあるが、自分の居場所の為に周りの社員達の尻ぬぐいをする。リジーが起こした訴訟の件で人事部に嘘をつき、そのおかげで悪さをしたジェリーとヴィトは無罪放免になった。エリックに暴行されたときは口をつぐんだ。おかしな同僚のジャスティンの行動にも目をつぶった。

 

⑦嫌がらせ

 ジャスティンという同僚が黒人差別発言をしたことを著者は我慢できずに内部通報する。このことが上司のマイクの耳に渡り、同じチームの社員のことを言うなと怒られる。ボーナス査定時(360度評価)で、複数人から報復として低い評価を付けられる。

 

⑧暴露以外

 1/3位は暴露以外の私生活、自身の不倫、妊娠について記載あり。著者は、まじめな方かと思いきや家族持ちにも関わらず、上司のリッチと不倫しそうに。(行為を途中まではしたが、子供からの電話で最後までせず。ドラマか?)著者の夫がGPSで追跡していたので、不倫がばれ夫婦仲は悪化。離婚する位仲は悪化したが結局離婚まではせず。

 

 

感想

①ヤバい人はどこの会社にも一定数いる

 一部のおかしい社員がピックアップされ、他の社員はどうだったのか。今回、暴露された内容と同様なことをする社員はどこにでも潜んでいると思います。部下のピートとは親友レベルだったし、GSにも普通の人も多くいるはず。

 

②拝金主義に陥る著者

 著者会社の実態を暴露しているが、彼女自身も虚偽の報告をしたりしている。金の為に合わない会社でハードワークをする。若くて合わないと感じた人は辞めていくので著者が約20年も続いたのが驚き。

 

③早く辞められたはず

 早くGSを辞めてソーシャルワーカーになりたかったと言っていますですが、20年近く働いています。資産額の公表はなかったものの、推定10億円位はあるはず。新人時でも相当貰っているので数年で辞めれたはず。

 

④詳細は触れず

 悪態について書かれていますが、思ったより少なくそれぞれの詳細についてはあまり触れていない。

 

Rating:★★★

 特に金融や投資の知識がなくてもスラスラと読めます。宣伝が過激だったので、少々インパクトに欠ける内容でしたがおもしろい本でしたので満点。