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「桁外れの投資家たち」の書評

 読書感想文の時間です。「桁外れの投資家たち」という本を読みましたので書評・感想を書いていきたいと思います。

著者紹介

 ダニアル・ジワニ(Danial Jiwani)ウォーレンバフェットの投資哲学について執筆する作家であり、そのリーダー的存在。

 

本について

 タイトル「桁外れの投資家たち」。2024/3/3発売。272ページ。出版社:パンローリング。2,640円。

 

内容

 どうしてほとんどの投資家は、バフェット、ピーターリンチ、レイダリオ、モニッシュパブライのように高いリターンを得られないのかについて書かれています。一部の投資家は、このような凄腕投資家の本を読み、似た投資方法で市場平均を1~2%アウトパフォームしていますが、彼らの域には到達できない。その分析が書かれた内容です。

 

 この本のベースは投資ですが、勝者の思考法についても扱っています。その為、経営や心理面(メンタル、行動、思考)も出てきます。投資本だと思って読んでいましたが、若干ずれていたので後々100%の投資本ではないことに気づきました。

 

 全部で9章

 第1章 だれもコカ・コーラを理解していない

 第2章 コンピタンスの第2層

 第3章 80%パストルールに従え

 第4章 年次報告書の問題点

 第5章 安全域だけではない

 第6章 隠れたリスクを見つけだせ

 第7章 知らないということを知っている

 第8章 第一原理に基づいて投資する

 第9章 5分間のルーブリック

 

感想

第1章 だれもコカ・コーラを理解していない

 製品や株式情報を知っているだけでは不十分で、桁外れの投資家たちは、「けっしてシンプルな事業でも理解できると思わない」と書かれています。一面だけ見るのではなく、多面的に株式を評価しようということです。

 

第2章 コンピタンスの第2層

 平均的な投資家は企業の競走上の立場を調査し、桁外れの投資家は何が企業の競争上の立場を左右するかを調査するという内容ですが、全体的にわかりづらかったです。本全体に言えるのですが、章毎で読み進めていかないと本題が見えてきません。結論から多少ズレるエピソードも多く出てきて読むのに集中力が必要です。

 

第3章 80%パストルールに従え

 チャーリーマンガーの行動は80%パストルールで事業が成功するか失敗する理由を学ぶためには、歴史の調査に80%の時間を割き、20%の時間で現在の状況を研究し、投資判断を下せばよいと書かれています。バフェットもコカ・コーラ株の買い時、コカ・コーラペプシの直近の年次報告書を読むだけでなく、10年分を超える年次報告書を読みました。

 

 平均的な投資家は今市場で何が起きているかを調べるとのことです。確かに、過去の情報を調べるのは時間かかるのでそこまで時間を割いている投資家は少なそうです。

 

第4章 年次報告書の問題点

 関連するものではなく、重要なものを読めということです。第2章と同等で退屈な章でした。

 

第5章 安全域だけではない

 割安になっていて、安全域が取れている企業に投資するだけでは不十分。事業の強さがあるか、リスクがあるか等も考慮する必要がある。他の投資本の「千年投資の公理」から引っ張ってきている内容でした。

 

第6章 隠れたリスクを見つけだせ

 リスクを評価するには、デューデリジェンス(企業分析)や調査だけでは足りない。それでは隠れたリスクは見つからない。その為、自らの結論に組み込まれている仮定についてさまざまな角度から検討しなければならない。

 

第7章 知らないということを知っている

 桁外れの投資家たちは知り得る重要なことにだけ集中します。それは、企業が現金を生み出す長期的な能力があるかどうか。例えば、1919年、コカ・コーラ株は瓶詰め業者や砂糖の問題で株価が40ドル→19ドルに半減しましたが、この問題を本質と結論付けていたら、500万ドルに成長したチャンスを逃すことになっていました。

 

第8章 第一原理に基づいて投資する

 良い面・悪い面ばかりに目を向けるのではなく、第一原理(本質)に基づいて投資をしなくてはいけない。例えば、事業の成否を決める基本的な理由を見て、そこから推論をする。

 

第9章 5分間のルーブリック

 バフェットは5分もあれば事業に興味があるかどうかは判断できるようです。時間をかけて構築してきたたくさんの選別フィルターがあるからです。あれこれ、調査するのではなく重要なことからフィルターをかけていきダメであればすぐ投資判断から除外でき時間をセーブできます。確かに、投資判断において「利点&欠点」を検証する金融機関とか多そうなイメージです。

 

Rating:★☆☆

総評:

 概ね内容がバフェット本と被ります。バフェット関連の本がたくさん出ていますが、それらの本と内容が同じ部分もある為、知っている情報も多々ありました。よって、この本のテーマである「一部の投資家は、偉大な投資家の研究をしているのに彼らの域には到達できない」ということに対し、期待を上回る情報が欠けていたなという印象です。

 

 バフェット本をあまり読んだことがない方であれば、参考になるかもしれません。