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株式投資で3,000万円貯まったので北海道移住してみた

映画「マネーショート」投資家目線での感想

 結構前の映画になりますが、「マネーショート 華麗なる大逆転』(洋題 The Big Shortを久しぶりに見ました。個人投資家となった今、この映画を見ると何を思うのでしょうか? 

作品概要

 2015年のアメリカの金融映画。マイケル・ルイスのノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(2010年刊行)が原作となります。作品時間130分。監督はアダム・マッケイ。

 

俳優

 クリスチャン・ベールスティーヴ・カレルライアン・ゴズリングブラッド・ピットなど。

 

作品内容

 邦題・洋題にあるショート(Short)とは空売りを意味しています。簡単に言えば、株を買って値上がりを期待するのではなく、その逆で株が下がる方向で儲けたトレーダー達の物語です。

 

 2008年、世界でサブプライム住宅ローン危機で景気が悪くなりました。全世界的に株価も暴落しほとんどの投資家は大損をこきました。しかし、映画の主人公達は事前に空売りを仕掛け大儲けしました。本作はどのように膨大な利益を得たかにスポットがあてられています。(サブプライム低所得者や移民向けの住宅ローン)

 

重要用語

 本作で出てくる3つの用語を事前に理解していないと、作品を理解するのが難しいかもしれません。(下記は映画に合わせた説明とします。)

 

MBSモーゲージ債)>Mortgage Backed Securityの略。住宅ローンを債権化した金融商品モーゲージ債は、住宅ローンが払えなくならないという想定だったので安全性が高いのと利回りの良さから人気商品でした。買い用。

 

CDO (債務担保証券)>Collateralized Debt Obligationの略。BBBランク以下のMBSは販売できないので、BBB以下のMBSを集めてAAA化したものがCDO。買い用。

 

CDSクレジット・デフォルト・スワップ)>Credit Default Swapの略。債務者が破綻に備えた保険。映画に出てくる儲かった投資家は、モーゲージを支払えないサブプライム層が大量発生することを予測しこのCDSを買います。映画の中では、売りで投資をしているのではなく、住宅ローン市場が崩壊すれば保険金が支払われるので逆張りしている模様です。

 

感想

<わかりやすい>

 自分自身、株式投資しかやっていないので金融商品、ローン、不動産関係について詳しくありません。しかし、概ね内容を理解できました。難しい単語が出てくる際に、シーンが止まり登場人物が説明をしてくれます。

 

<売り理由がいまいち>

 主人公のマイケルバーリがサブプライム問題を意識したのが2006年で、なぜ自信を持って売り投資をできたのかがあまりわかりませんでした。固定→変動金利に変わることにより、ローン返済能力に疑問を持ち売りを仕掛けたシーンは出てきましたが、それくらいでした。どのような根拠で売り判断に至ったかの描写をより描いて欲しかったです。個人的にそこがこの映画のメインテーマだと思っています。

 

<なぜ投資を続けられたか?>

 2006年にCDS13億ドル分し、約2年間保有し最終的には利益が得られました。($1=150円計算でいくと、$2.69Billions稼いだので4,035億円になります。得たリターンの率は489%です。途中買い増しがあったと思われます。)しかし、上から”今すぐに投資を辞めろ”と言われていますし、一時▲20%まで落ち込みました。空売りは買いとは違い、損失は無限大なので続けてこれた根拠はなんだったのか。

 

<50VS50の賭けだった?>

 ある意味50VS50の賭けで儲けたように感じました。特に2008年の不況時に儲けた投資家ということで、珍しい人だったから取り上げられた感があります。2008年以降は、空売りで失敗もしているので金融業界の予想屋なのかなという印象です。

 

 投資をしていればわかりますが、予想をしても全然当たりません。モーサテの大手金融機関の専門家達は色々予想していますが、当たっていませんよね?なので、予想したり、どちらかに賭けたりするような投資を私はしていません。映画の登場人物は、バフェット師匠が嫌う予想投資をしていたと思います。

 

<金融業界の闇>

 本作のもうひとつのテーマになります。銀行が詐欺まがいの債権を売り出したために、2008年の金融危機に陥りました。

 

 また、格付け会社S&Pが競合のムーディーズにシェアを奪われたくないので、CDOの格付けをデフォルトリスクが上昇しているのにAAAとし正当に評価していないとか、ウォール街の拝金主義もよくわかりました。両者に罰はなかったのか?

 

<ブラピはなぜ出演?>

 ブラッド・ピットは元トレーダーの役として出演し若いオタク系男子2人を応援する役で出演しました。この3人は出演シーンも少ないし、特に出演しなくても良かったのではと個人的に思っています。短時間でマーゴットロビーがお風呂に入りながら株式市場を解説してくれたり、セレーナゴメスも出てきたりもします。

 

Rating:★★★

総評:

 満点。金融業界が舞台で聞いたことない単語がでてくるので、完璧には理解できない人もいるかもしれませんが、多くの視聴者向けにだいぶわかりやすく作っている作品だと感じます。それ故に、深く踏み込まない部分もあったのでしょうか。いろいろと賞をもらった作品なのも納得です。