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米金融映画「ダム・マネー」投資家目線の感想

 2024/2に上映された金融映画ダム・マネー ウォール街を狙え!がレンタルされていたので見てみました。(レンタル開始7/3~)この映画は全米を揺るがした「ゲームストップ株騒動」を描いたもの。投資家目線で映画の感想・評価を述べていきたいと思います。

作品概要

 アメリカ映画。2021年のベンメズリック著「The Antisocial Network」と編年記「GameStop short squeeze」が原作。アメリカでは2023年9月・日本では2024年2月に上映。クレイグ・ギレスピー監督で映画化。105分。

 

俳優

 主演Paul Dano。Pete Davidson, Vincent D'Onofrio, America Ferrera, Nick Offerman, Anthony Ramos, Sebastian Stan, Shailene Woodley, Seth Rogen等。

 

作品内容

 時代は2020~2021年頭頃。マサチューセッツ州に暮らす冴えない会社員キース(主人公)は、倒産間近と見られていた「ゲームストップ株」に当時全財産の5万ドルを投資。業績が低迷し倒産しそうだった為、ファンドはこの株を空売りキースは動画サイトで過少評価されているから買おうとネット住民たちに呼びかける。面白い運動をしていると反響を呼び大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、大暴騰。

 

 個人投資家達はロビンフッドというアプリ(手数料無料の証券会社のような存在)で株の売買。空売りをしていたファンドらは巨額の損失を被った。これ以上、損失を拡大させない為、ファンドとロビンフッドが裏で繋がり、投資家達が株の買いをできないように工作。パニックにより売り殺到したが、買いができるようになるとキースは買い増し。再び上昇しキースは最終的に3400万ドルを稼ぎ、2021年4月16日の動画投稿を終え、姿を消す。

 

感想

<ライトタッチ>

 誰でも理解できるよう配慮していたのか、全体的に難しいことや詳細について触れておりません。全体的に軽い感じで物語が進み、そこそこ投資をしている人が見たら物足りなさを感じるでしょう。主人公の思い付きのようなゲームストップ株推奨があり、それを知った若者達が楽しそうだから何となく便乗するみたいな感じです。

 

<買った理由がわからない>

 主人公が倒産間近のゲームストップ株に全財産の5万ドルをかけた根拠も良くわかりませんでした。実店舗型のゲームストップ(ゲーム屋)ですが、「店に通いたいファンがいる」と「企業価値がある」という理由で主人公は投資。もうちょっと、投資根拠を出して欲しかったです。

 

 主人公のキースですが、特に金融や投資について詳しくないような存在です。赤ハチマキ付けている冴えない人という位置づけ。どうして、有名でもないインフルエンサーに周りがついてきたのか?

 

ウォール街VS小口投資家>

 この映画のテーマであるゲームストップ株事件(ボロ株が大暴騰)では、空売りを仕掛けたウォール街の大富豪達をギャフンと言わせようと、小口投資家達が団結し株を買い漁るというのがメインの話。特に、個人投資家達はゲームストップのファンでもなかったし、ウォール街に恨みを持っているようにも見えず。この対立構図も不明確。

 

空売りファンド閉鎖>

 空売りを仕掛けていたメルビンキャピタルですが、予想外の株価上昇で損失が膨らみ閉鎖に追い込まれました。さすがにレベルが低すぎます。空売りなんて、株価が暴騰したら損失が青天井なんだからリスクを取り過ぎるべきではありません。リスク管理がなっていません。この事件から、「ヘッジファンドの85%が小口投資家の動向を監視しゲームストップの再来を恐れ空売りが激減している」ようです。

 

ロビンフッド

 投資アプリのロビンフッドは手数料無料ということで人気。2021年IPOしたが急落、2年後、最高値の90%以下になります。このアプリは、顧客の売買情報を機関投資家に売ってリベート(見返り金)を得ているので無料化可能なビジネスモデルです。しかし、これで事業を継続できるのか?空売りしているファンドを加担する形で、ゲームストップ株を買えないようにする等問題ありそうな会社です。

 

Rating: ★☆☆

総評: 

 映画自体が105分と短めなので、浅く話が進んでいきます。他の金融系作品と比べて物足りなさがありました。金融を扱ったコメディ寄りの作品でしたが、特に笑えるポイントもありませんでした。(コメディアンでもあるセスローゲンが出演していたのに!)

 

 主人公が全財産5万ドル→3400万ドル(680倍!)に増やしたのですが、特に投資術が優れていたとは感じられず、ただ全財産をかけた勇気はすごいと思いました。